アンケート調査を実施する上で、どのくらい費用がかかるかを把握することは重要なポイントです。またできればコストは安いに越したことはありません。

しかしながらコストダウンをするためには、アンケートにどのような費用が必要か、なぜ必要かを把握する必要があります。

なんでも良いからとコストカットをしてしまうと、必要な費用までカットしてしまうことになりかねません。

ここではアンケート調査を実施する上で非常に関心が高く、しかも昔から変わらない永遠のテーマ調査費用の問題について見ていきます。

アンケートに必要なコスト

アンケート調査に必要なコストを知りたい場合見積をとることが多いと思います。そこで見積項目に沿って、アンケート調査に必要なコストを見ていきます。

見積項目は会社ごとに異なりますが、基本的な考え方は同じです。当社の場合、主な費用は次の4項目です。

1.企画費

アンケート調査の企画・設計をする作業費です。具体的には調査目的を確認し、調査対象、調査票、調査方法など必要な事項を決めていきます。クライアントとの打ち合わせや社内での作業が主でコストは主に人件費ですが、資料を購入したり、調査対象の現地を訪問するための旅費が含まれることがあります。

アンケート調査は調査設計で成否が決まるといっても過言ではありません。アンケートの目的や聞きたい項目が決まっていても、アンケート調査に落とし込むことは容易ではなく、経験が必要となってきます。アンケート調査のプロは、必要な結果を導き出すために、どのような報告書を作るかを想定して逆算して調査の企画・設計を行います。

また細かいこと、例えば回答しやすい調査票、入力しやすい調査票をどうするかなどのノウハウも必要になります。前者は回収率、後者は紙の場合入力費用の低減につながる項目で大変重要になります。

アンケート調査の企画・設計は、誰にでもできそうと感じることもあるかもしれませんが、うまく企画・設計すれば、効率の良い調査を行うことでコストダウンも可能です。

2.調査費

実際に調査をするための費用です。調査費は、郵送アンケートであれば、印刷費や郵送費などの実費が中心となります。オンラインアンケートでは調査システムの利用料が必要となるなど、調査方法によっても大きく異なります。

郵送調査の場合

  • 調査に必要な資材の印刷費がかかります。送付用封筒、返信用封筒、挨拶状、アンケート用紙が一般的です。
  • 調査票の送付は郵便またはメール便が使われます。返信を受取人払にする場合は手数料もプラスされます。
  • 回収したアンケートの開封、整理の人件費も必要です。

オンライン調査の場合

  • 登録モニターを利用するオンライン調査の場合、調査会社によって課金の基準が異なります。質問が1問刻みの場合もあれば5問ごとのような場合もあります。このような課金ルールの中で最も効率的な質問数に調整します。
  • 多くの調査会社ではマトリックス形式は、数問で1問扱いとなります。質問がマトリックス形式にまとめられないか検討します。(マトリックス形式とは、同じ選択肢で複数質問をする表形式のものです)
  • オンライン調査では、調査対象者の数も課金の基準となります。ターゲットが絞り込めないかを検討します。

街頭調査の場合

  • 街頭調査の場合、当日その場でいきなり調査をすることはできません。事前に許可をとったり、打合せをするなどの費用が必要です。
  • 調査員の費用が必要です。人件費、交通費、また宿泊費が必要となるケースもあります。また調査員の募集費も必要となることがあります。
  • 実際の調査の日数のみではなく、調査員の教育や説明(インストラクション)の費用が必要となることがあります。
  • また天候などによって突然中止になるケースにはキャンセル料が必要となることがあります。

調査費は実費の割合が高いため、コストダウンするには、調査項目を減らすなどの調査内容の見直しか、安い印刷会社を探すような地道な作業をするかが必要です。

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