オンライン調査だけでは難しい理由

アンケート調査というと消費者向け(BtoC)のアンケートを浮かべるケースが多いかもしれません。実際には法人や団体(公共団体を含む)を対象とするアンケート調査についても需要は多く、当社でもお問合せをいただくことがあります。

最近では、コストや効率面を考えてすべてオンラインアンケートで実施したい、というご相談も多くなっています。すべてオンライン調査で実施することが可能なケースもありますが、すべてオンラインは難しく、従来の郵送アンケートを組み合わせるケースが多くなっています。

<理由1>回答に準備が必要なケースが多い

法人は原則としてに組織的に運営されています。複数の担当者、責任者が運営に当たっていますので、すべてを一人で回答することが難しくなります。個人のアンケートであれば、次々に表示される質問に対して、その場で考えながら回答することも不可能ではありません。法人の場合にはアンケートの内容によっては責任者や担当者に確認する必要があるケースも生じます。アンケートをすすめる中で独りで回答できない質問にあたるとアンケートを中断してしまうこともありえます。そのため、事前にアンケート調査内容を伝える必要があります。

内容を伝えるのに良いのは、郵便でアンケートの依頼状とともに、アンケート項目を出力したものを送ることです。この場合にはオンラインのみでの調査ではなくなってしまいます。

<理由2>セキュリティ上の問題

オンラインで完結する調査の場合、電子メールで依頼をすることになります。本文にアンケートのURLを記載しクリックするしてもらう形式です。しかしながら知らないアドレスからの電子メールのリンクにアクセスする確率は高くありません。調査元が有名な会社や調査機関、行政機関であっても、知らないアドレスであっても同様です。取引先など普段から連絡をしているアドレスでの依頼などでない限りは難しいでしょう。

また外部のウェブサイトへのアクセスが制限されていたり、アンケートシステムのようなプログラムを動かせないようなケースもあります。アンケートシステムが利用できないケースに備えて、エクセルファイルのアンケート調査票を準備することもありますが、こちらもダウンロードできないケースもあります。

<理由3>ビジネス上の慣習

これまでの2つの理由以外に、単に習慣の問題もあります。アンケート調査の依頼は文書で依頼するものであるという法人もまだまだ多くなっています。社内でも紙ベースでの稟議が必要であったり、社内システムで電子的な承認ができる場合でもPDFが必要であるようなケースもあります。

法人(BtoB)のオンライン調査の進め方

それでもオンライン調査のメリットは多い

これまで見たように法人アンケート調査はオンラインのみでの実施は難しくなっています。しかしながらメリットも多くなっています。例えばコスト面では通常の郵送調査で必要となる返信用封筒の印刷費+受取人払の費用(概ね100円程度)やデータ入力費用が不要になります。調査の回答を見ても回答を飛ばしてしまうようなミスを避けたり、自由回答を比較的多く記入してもらえるなどのメリットは大きくなっています。

法人アンケート調査でもうまく活用することが必要です。そこで法人アンケート調査の基本的な進め方のポイントを見てみます。

【調査依頼】アンケートの依頼は郵便が原則

  • セキュリティ上の課題、ビジネス上の慣習からアンケートの依頼は文書で行うのが原則です。調査内容を事前に確認の上、回答することが必要な場合は調査項目を同封します。
  • オンライン調査での回答方法を明記するとともに、オンラインで回答できない場合の方法を記します。
  • 仮に電子メールでの依頼だけで回答をしてもらえると想定される場合でも、電子メールでアンケート依頼をする旨を挨拶状を郵送で通知する方が望ましいといえます。この場合は調査項目の同封は不要です。

【アンケートページ】資料を準備

  • アンケート用のページを準備します。いきなりアンケートシステムのURLにアクセスさせるのではなく、アンケートの案内ページを準備してアクセスしてもらうようにします。調査主体のURLの下にページを設置する方が安心感があります。
  • アンケートページには、必要な情報を記載します。主な内容は、調査目的、情報の公開の有無、個人情報の取扱い、回答期限、問い合わせ先 などです。
  • また挨拶状や調査票などの資料(電子データ)を用意します。アンケートシステムで回答できない場合にも回答が可能になるように配慮します。

【オンラインシステム】途中保存機能とプリント機能は必須

  • 複数の方が回答するケース、途中で資料などで回答を確認するケースを想定して途中保存機能が必要です。
  • 回答結果を確認する印刷機能も必要です。ブラウザーの印刷機能でも印刷できれば問題ありません。

まとめ

法人オンライン調査にはメリットが多く、うまく活用していくことが必要です。しかしながら、現状では、オンラインのみで完結させることは困難です。

オンライン調査のために紙の文書や郵便を使うことは合理的でない感じがあり、抵抗もあるかもしれませんが、アンケート調査はできるだけ多くの方に回答いただけること望ましいので、必要に応じて旧来からの手法を併用していくことも大切です。